2012年10月8日月曜日

プライベートライアン

FPSやってるとやっぱり戦争映画が気になるわけで、
すっごいリアルでしんどいと言われているプライベートライアンを借りてきました
平日だと重たい映画かもしれないが、三連休だしと思い。

非常に重たいテーマではあると思いますが、その半面、ただ淡々と、「仕事」として戦争に参加する兵士の一員になったような気にはなれます。
会社と同じで、理不尽な命令に「俺は抜ける」と言い始める兵士の気持ちもすごくわかるし。
なんといいますか、ゲーマーとしては、かなりFPSに近い映画と言わざるを得ません。
視点もFPSとかなり似ています。というか、ゲームが映画を参考にしている可能性もかなり高そう。
たとえば兵士が銃を撃ちながら横に走って逃げる時も、同じくらいの速さでカメラが後ろを走ります。そして、走る時のブレも映像についているのです。
視点もほとんど、目線もしくはそれよりも下の場合が多い。下から見上げるシーンも豊富にありました。

これはかなりの臨場感があります。

なので、のめりこみ度はハンパありませんでした。
観終わった時は、一緒に帰還したいと思うほどの感情移入。
スナイパーが「あそこに狙撃手がいる」と言って目を凝らすシーンでは一緒に目を凝らしたくなるくらいです。

内容はとても単純な話で、命令を遂行することと、ドイツ軍に勝つこと。ただそれだけの戦争の話なんですが、それだけでもこれだけ複雑な個々の人間の感情が絡み合う。

しかし、今時ただお涙ちょうだいの映画や、ただ残酷な映像、ひたすら反戦を訴えるような映画は陳腐だな、とこれを見て思いました。

なぜリアルを追求しなければならないのか?
「戦争は過酷で残酷だと言葉で言っても伝わらないから」
ただリアルさ、精巧さにこだわりつづける職業の人もいますが、趣味でやる人もいますが、何をするにしても、目的がはっきりしていなければ望んだ効果は出にくい。
それがこの映画では非常にハッキリしていると思います。

もちろん演出やセンスは絶対に必要になってくると思いますが、それらも合わさって非常に良い作品となっていると思います。
あまり説教たれたことを言わないでずうっとしんどい任務を仕方なく進めてきて、最後の最後に、たった一言、トムハンクスが言うセリフ。

これがエンディングにつながり、号泣です。

なんか、いいですよね。
くだらないと思っていた仕事に、命をかけて、一見バカバカしいと思うのに…映画のずるいところはその時間をスキップさせてしまえること。ここだけは、映画の勝ちですね。

そして最後に、「くだらない仕事ではなかった」ことをまたリアルに表現します。
ここで美しく完結し、皆涙を流し、生きている意味やありがたみを実感するわけです。
しかも説教臭くありません。言葉は非常にシンプル。生きるか死ぬかだけの話。たまたま生き残っただけの話。

ですが、生きるか死ぬかは戦争以外では描きにくいテーマなんですよね。
戦争映画だったら当たるとは思いません。でもそのシンプルなテーマのリアリティに全力を注いだことはこだわりや趣味があったとしても、人の心に響くのでしょうね。


こっから先は個人的な趣味の感想です。

リアリティの話ですが、もちろん人の頭や腕や内臓が飛び散ったりするのはリアルですが、趣味ではございません。でも、実際はあんな感じでしょうね。役者の演技がリアルすぎて怖すぎてずっと(゚д゚)ポカーンでした。自分だったら即死していると思いますwむしろ即死のほうが幸せなのではないかと思うようなひどい有様。
あえて血の混じった波打ち際をずーっと見せるのはポカーンさせるためでありましょう。

しかし、音。音です。音響がすごいです。いいヘッドフォンで聴きたいと思いました。確かWW2経験者がこの映画を見て音のリアルさに恐怖で震えだしたとか聞きました。
いちばん凄いと思ったのは、タイガー戦車が近づいてくる音。
あんな音が遠くから響いてくるなんて、絶対嫌だなと思いました。
しかもリアルに待機時間が長いんですよね…。

キャラクタ的には、スナイパーの人が凄く好きでした。自信たっぷりで実力が伴っており、軽口を叩いていても、仕事には独自のポリシーを持って臨む。それ以外のことはあまり気にならない本物のプロフェッショナルだから、どこでも寝られる。心に咎が無い、迷いがないというのはいいことだなと思いました。

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